18才の時に死体解剖に立会う

私が熊本大学の入試に合格した後、入学するまでの間に平岩の原という集落で男の人の殺人事件がありました。その日の午後、宮崎の福島外科の先生による解剖があるという話を聞きましたので、急いで原まで行ってみました。畑の真ん中に白い幕でコの字型の囲いが作られていました。その中を覗いてみると台の上に男の人が裸で寝かされていました。傍には福島先生が立っておられて、今にも解剖が始まるところでした。

先生は解剖中の記録を「僕が口頭することを全部このノートに記載してくれ」と言っておられるところで、その場にいた4、5人の人はみんなしり込みして「お前がやれ」とい言い合っているところに、私が顔を出したので、4、5人の人が私を指さしてその子がいいと言い出しました。「この子は今年熊本大学の医学部に入学することになっているから」というので、福島先生が、「ちょうどよい。書いてくれ。」といわれました。

私は大学に入学する前ですので、医学の知識は全くないくらいでしたのでお断りしましたが、先生はいい経験になるからといってわたしにノート(古く、いろいろとしるされたノートでした)と鉛筆を渡されたので先生のすぐそばで解剖を見学することとなりました。

解剖は刃物で刺された近くから始まりました。胸部、腹部と進み、次々と先生の言われた言葉を漏らさない様に、わからないところはひらがなで書きました。

結果は前面から包丁で腹→胸部に達する傷でこれが致命傷だろうという結果になりそれで終了でした。

※写真はイメージです

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