院長によるかぐや姫のはなし

不妊治療の話

今日は不妊治療の話です。一生懸命不妊治療をしてもなかなか妊娠につながらなかったり悩んでいる方も多いと思います。ではどうやったら妊娠できるのでしょう。原因さえ分かれば妊娠できると思われがちですが、実際の不妊の原因はそう簡単なものではありません。ある時はタイミングが合ってなかった、ある時は排卵しなかった、ある時は精子が卵のところまで到達できなかった、ある時は受精できなかったなどなど。原因を追求するよりもその原因を解決できる治療方法を進めていくことこそ大切なのです。

精子の大きさをヒトの大きさと仮定すると、腟のなかに射精された精子は卵と出会う為に地球から月位の距離を移動する必要があります。月の表面に現れる、かぐや姫に会いに行くようなものです。たとえ3億匹の精子がいたとしても卵の周囲にたどり着く精子は100匹前後と言われています。妊娠するためには精子と卵子が出会うことが必要ですが、実際は結構大変なことなんですね。では妊娠の可能性を高めるにはどうしたらいいでしょう。かぐや姫のお話に戻りましょう。かぐや姫が月の表面に出てくるチャンスは月に1回、12時間ほどです。かぐや姫に会うためには出てくる前兆を捉え、アポイントを取ることです。これは排卵の前の卵胞のチェックやLHの尿検査、タイミング療法にあたります。かぐや姫が2人出て来れば、チャンスは拡大します、これは排卵誘発剤の効果です。人工授精は、ロケットで月の周囲まで精鋭部隊を送り込むこと、体外受精はかぐや姫を連れてきて、しばらく一つ屋根の下に住まわせる、顕微受精にいたっては、かぐや姫と結婚させ身ごもったことまで確認する、といったところでしょうか。実際の治療で妊娠の可能性を高めている実感を持つことは難しいことですが、かぐや姫に置き換えると、不妊治療って結構すごいことなんですよ。残念ながらすべてのかぐや姫が妊娠できる状態になかったり、年齢を重ねすぎていることも今の問題です。スタッフも一生懸命お手伝いします。ご相談ください。

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